メコン川では、水力発電に好影響を与えるか(3)

新しいデータは別のストーリーを伝えます
しかし、いくつかの前提は疑問視されています。 先週、MRCサミット(4年ごとに開催)で、6年間の会議の調査から劇的で複雑な調査結果が発表されました。 昨年末から様々な政府間会合で頒布されたこの報告書は、数千ページに及んでおり、水力発電のトレードオフをはるかに複雑な形で示してます。 食糧不安が高まり、洪水被害が悪化し、「貧困の影響は残る」と言われています。

水力発電は利益を生むでしょう – マクロ経済評価では、2040年までにメコン川流域の経済的利益が1,600億ドルを超えることが見込まれています。 しかしこれらの収入は、これまでに信じられていたよりもはるかに高い費用が掛かるという調査結果が出ています。また漁業の減少は、2040年までに約230億ドルになる可能性があります。森林、湿地、マングローブの喪失には、最大1,450億ドルの費用が掛かる可能性があります。 90%以上の沈降が阻止されている為、メコン川沿いの稲の成長は著しく抑制される見込みです。 養魚場、灌漑施設、農業の拡大は、これらの損失を相殺することができますが、この分野と国の間では不均一な結果があります。

報告書は、「メコン川沿いの貧困層は恵まれていないが、都市部の貧困層には魚介類価格の上昇が予想される為、大きな課題に直面するだろう」と、開発が何を意味するのかという問題提起しています。

「経済的見地から、水力発電を推進している人もいるかもしれないが、今後数年間で投資家は興味を持たなくなるだろう。」

悪影響についての新しい知識を武器に、この地域の国々は水力発電の役割を益々重視しています。 2月、タイの電力当局は、ラオスの計画されているPak Bengダムから電力を購入する合意に遅れをとりました。 Pak Bengダムは、電力の90%をタイに売却する予定で、ラオスの3番目に大きなメコン主流ダムになる予定です。 タイの漁業者や環境活動家たちは、下流のコミュニティに大きな影響を与えると長年言い張っていました。

「明らかに、Pak Bengダム工事の延期は、より良い食糧/水/エネルギーバランスへの非常にポジティブな兆候である」と、タイのチェンライにあるMae Fah Luang経営管理大学院のApisom Intralawan氏は語った。魚の梯子や水門を沈降させるなど、コストのかかる緩和努力がほとんど行われないと、今後の水力発電に必要な設備投資は増加するだけです。その一方で、太陽光の価格は激減し、代替エネルギー源として益々利用可能になっています。

2月に、Apisom Intralawan氏は、タイのMae Fah Luang大学のDavid Wood氏、Richard Frankel氏と共同で、改装された経済調査の結果を発表しました。彼らは、メコン川流域で計画されている水力発電プロジェクトの経済への影響が正味負の73億ドルであると結論付けました。

Mae Fah Luang氏とオーストラリア国立大学の他のいくつかの研究者が共著した論文は、「生態系サービスジャーナル」で発表されたもので、特に「カンボジアとベトナムにとって大きなマイナスの経済的影響」と予測しています。

評議会の調査と同様に、彼らの研究は水力発電の便益と捕獲漁業の喪失を再計算しました。これは初期のMRC報告書では過小評価されていました。 新しい計算では、以前の研究では無視された影響、すなわち社会的および環境的な影響のコスト、ならびに土壌の減少(堰は栄養素が農地に達するのを妨げる)も考慮に入れています。

「最終的には、これらのプロジェクトのNPV(正味現在価値)は依然としてマイナスであり、プロジェクトは経済的に実行可能ではないことを意味する」と報告書は結論付けています。

メコン川では、水力発電に好影響を与えるか(2)

メコン地域政府は、急速に成長する経済を推進し、継続的に発展させる為には、このダムの拡散が必要であると主張してきました。メコン川下の国では、カンボジアとラオスの間で年間平均GDP成長率は7%前後、昨年は6.2%、2014年のクーデター以降GDPは昨年3.2%の成長率に達しました。比較すると、米国と英国のGDPは昨年2%以下の伸びを示しました。

メコン川流域のエネルギー需要は年に6〜7%増加すると予測されており、水力発電はこれらの4つの国の開発計画の礎石になります。予定されている主力の水力発電プロジェクトは約13,000MWで、コストはほぼ300億ドルです。メコン川の主要な支流で計画されている別の30ヵ所のダムは、1,000MW以上の容量を有し、206億ドルの費用がかかります。 11ヵ所のダムがすべて建設されれば、メコン川流域のエネルギー需要の6〜8%を満たすと予測されています。

これらの数字は全て、共有河川の公平な管理を目的とした政府間組織であるメコン川委員会によって算出されたものです。 MRCによると、2011年に公開された当初の研究では、11のダムが盆地全体で334億ドルの純利益を生むと推定しました。 昨年、彼らは改訂された値を発表し、経済的利益は今後24年間で1,600億ドルを超える可能性があることを示唆しています。

そのような合計は、しばしば水力発電がエネルギー需要を満たす為の持続可能な方法であると指摘している政府の主張の根幹でした。 例え個人が日常的に魚を漁ることが困難になったとしても、沈降の変化が個々の農家に悪影響を及ぼすならば、経済全体が上昇するといえます。

メコン川では、水力発電に好影響を与えるか(1)

カンボジアのストゥントレン – カンボジア北部の国境の近くにあるメコン地域では、人々は水力発電に関する全てを話せます。 このダムのせいで過去数年間、魚の捕獲が着実に減少しています。 このダムのせいで多くの若い男性が迷惑な合法性の伐採作業をしなければならなくなったのです。 ダムは開発を意味するかもしれません。一部の地元の人々は受け入れていますが、彼らはそれが彼らのためではないと言っています。

多くの選挙運動家や活動家の最善の努力にもかかわらず、主要な水力発電プロジェクトはメコン地域の開発計画の礎石となってきました。 しかし、大規模なダムの潜在的な経済的及び環境的コストの可能性について新しいデータが出現するにつれて、この地域の国々はダムプロジェクトの大きな好景気の中でも、オプションを再考する兆候を見せ始めています。

「このような農村部の人々の主な食糧は魚です。 彼らは水力発電のダムを建てることは、私たちを殺すことを意味している」と、メコン川に囲まれた涙目の形をした漁師と農家の人々が住む島であるコ・プレア村で生活する5歳児の父親は言っています 。

「開発は富裕層の為の手段です。 貧しい人々は、その発展の恩恵を受けていないので、依然として貧しい人々です。 それでは誰の為にその発展があるのでしょうか?」とThit Poeung氏は疑問を呈した。

水力発電プロジェクトでは、しばしば政府や企業の個人が利益の大部分を経験していますが、漁業の減少、水の供給や質の変化、移住によって失われるのは地元住民です。

カンボジアのこの地域に住む人々は、水力発電に囲まれている為、水力について知る傾向にあります。50キロ圏内のどの方向に進んだとしても、これから工事予定のダムや、現在工事中のダム、または完成した水力発電プロジェクトにぶつかります。メコン川の北側には、ラオス国境のちょうど上に位置するドン・サホング・ダム(260メガワット・プロジェクト)があり、2016年1月に近隣の政府からの激しい抗議にもかかわらず地面を壊し始めました。途中で提案されたStung Trengダムがありますが、そのほとんどは知られていません。その川のもっと下流に行くとダム計画があるサンボアダムが現れ、まだ研究中ですが3300メガワットほどの大きさになることが予定されています。北東部では、セザン川と呼ばれる主要なメコン川流域に、カンボジアの最新のダム、400メガワットのLower Sesan 2があり、去年9月に稼働しました。

ここのダムは、ラオス、タイ、カンボジア、ベトナムを含む下位のメコン川流域で計画されているものの一部に過ぎません。 11箇所のダムが計画されていますが、川の幹線道路は建設中であり、数十はセザンのような支流に建設される予定です。